用語辞典「医療行為」
-
医師の専門的知識または技能を持って行わなければ危険な行為のことを言います。医師法第17条において「医師でなければ医業をなしてはならない。」と規定されています。保育の世界においても、しばしば、この医療行為について現場で混同される時があります。
- 水銀体温計・電子体温計により腋下で体温を計測すること、及び耳式電子体温計により外耳道で体温を測定すること
- 自動血圧測定器により血圧を測定すること
- 新生児以外の者であって入院治療の必要がないものに対して、動脈血酸素飽和度を測定するため、パルスオキシメータを装着すること
- 軽微な切り傷、擦り傷、やけど等について、専門的な判断や技術を必要としない処置をすること(汚物で汚れたガーゼの交換を含む。)
- 患者の状態が以下の3条件を満たしていることを医師、歯科医師又は看護職員が確認し、これらの免許を有しない者による医薬品の使用の介助ができることを本人又は家族に伝えている場合に、事前の本人又は家族の具体的な依頼に基づき、医師の処方を受け、あらかじめ薬袋等により患者ごとに区分し授与された医薬品について、医師又は歯科医師の処方及び薬剤師の服薬指導の上、看護職員の保健指導・助言を遵守した医薬品の使用を介助すること。
- 患者が入院・入所して治療する必要がなく容態が安定していること
- 副作用の危険性や投薬量の調整等のため、医師又は看護職員による連続的な容態の経過観察が必要である場合ではないこと
- 内用薬については誤嚥の可能性、坐薬については肛門からの出血の可能性など、当該医薬品の使用の方法そのものについて専門的な配慮が必要な場合ではないこと
平成17年7月に各都道府県知事宛へ厚生労働省医政局長から「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」がありました。
→ 原本をダウンロードすることができます(PDFファイル/145kb)
その中で、医師、看護師等の医療に関する免許を所持していない者が行うことが適切か、そうでないかを判断する参考が以下のように示されています。-/-/-/-/-/- 中略 -/-/-/-/-/-
保育の世界において、1の「体温を測る行為」はとても身近なものですし、現時点で保育者の誰もが必ず行う行為ですので、特に開設はしません。また、2、3については、余りなじみのない、保育園では行わない行為ですので解説は省きます。
問題となるのが、4と5の解釈です。
4では「専門的な判断や技術を必要としない」とあります。ちょっとしたすり傷、切り傷に対して、水道水での消毒や絆創膏やガーゼを貼る行為などは医療行為に該当しないと思われます。しかし、指のとげを抜く行為はどのように解釈すれば良いのでしょうか?
基本的にはとげを抜く行為は医療行為と考えたほうがよいと思われます。例えば、とげを抜く際にカッターナイフなどの先端をあぶって消毒し、とげが刺さった箇所の皮を少し切り、とげを抜く。などの行為をある保育園で行っている。と聞いたことがありますが、これは立派な医療行為ですので、傷害罪などで訴えられる恐れもあります。ですので、とげが刺さってしまった場合は、患部を消毒するだけに留め、保護者に抜いてもらうか、医療機関へ受診してもらうようにしましょう。
厳密にいうと髪の毛を切る行為も医療行為に該当します。しかし、家族(保護者)が同様の行為を行った場合、医療行為とはみなされません。
5は薬の服薬に関してです。保育園に通う子どもは時として病気に罹り、治ったとしても薬を飲み続けなくてはいけない場合があります。5ではその服薬について解説していますが、これについて誤った解釈をしている保育園があるのも事実です。
ここで5の中段に「事前の本人又は家族の具体的な依頼に基づき、医師の処方を受け」と書かれています。この部分が与薬依頼(書)に基づいて、保育園で保育者が子どもに薬を服薬できる根拠となると考えられます。
ですので、与薬依頼(書)が発行できない市販の薬などを保護者に代わって保育園で、保育者が子どもに服薬させることはできません。 医療行為は本当に明確な線引きがなされていません。良かれと思って行うことが実は医療行為であったがために、賠償問題に発生することも少なくありません。子どものためを思ってという一時の思いで行うのではなく、しっかりとした知識に基づいて適切な処置を行うように心がけましょう。

